春元 測定するコンバージョンポイントをどんどん奥に持っていったじゃないですか。
ああいうの素晴らしいと思いますね。
入口から手を入れてだんだん本質的なところにもっていくステップが。なかなかふめないと思いますね。
榎本 やった結果気付かされたとかあるんじゃないかな?
鈴木 だと思う。
春元 実際の数値が伸びなかった。とかですよね。
クリックのコンバージョンAとB、こっちがいいよね。ってなっても、実際の(会員登録数などの)コンバージョンみたら変わってないぞと。
これ無意味だよね、と。
そういう意味でいうとKPIで本質的な数値をとってたというのが勝因じゃないかな。
やっぱ(A/Bテストを)やるだけじゃだめなんですよね。
榎本 いまの話、「それぐらい当たり前でしょ」という話なんですけど・・・なんていうのかな。「体で憶える」って大事だと思うんですよね。
鈴木 そうそう、失敗したりしてね。
春元 最近事業をサッカーに例えるのが好きなんですよ。
サッカーって、ゴールキーパーがいてDFがいてMFがいてFWがいるじゃないですか。全員フォワードだと勝てないんですよ。
全員で攻めたり全員で守ったりみんなでいろんなことをやらないといけなくて。
だから一箇所にフォーカスしすぎるのはよくないなと思ってて。
鈴木 ディレクターはMFなんすよ。
春元 僕もそう思う。
鈴木 営業はFW、DはMFでとにかくいっぱい走らなくちゃいけなくて。
バックはデザイナーだったりシステムだったり。
キラーパスを出せると気持ちがいい。
春元 スポーツって反復練習するじゃないですか。
体で憶えるってやるじゃないですか。
シュート練習してたら試合で出せるようになるとか。
事業にその感覚少ないなと思ってて。
榎本 なんかいいこといった!?
鈴木 わかる!
春元 理論を語って練習しないやつは優勝できないじゃないですか。
鈴木 学校のときは授業があってテストがあったんですよ。
僕らはいま毎日テストなのに、普段の勉強をしてないわけですよ。
それ意識してみたら変わるんじゃないって思うんですよね。
榎本 勉強は何したらいいんですかね。
春元 勉強も反復練習じゃないですか。
同じような問題何度もやって覚えていくわけですよ。
ずっとシュート練習してたらめちゃうまく打てる本番で。
ぼくのイメージはイチロー。
鈴木 イチローでも3割じゃないですか。
ぼくら1こテストやってだめだと凹むじゃないですか。
それって違うと思うんですよね。
10個やって2~3個当たればぜんぜんいいほうだと。
だからとにかく打席に出るってことにこだわり続けなければいけないんだと思います。
春元 3割なんてあてられたら万々歳ですよ。
アクセス解析サミットに出るときに、あてた本数調べたんですけど10%でしたねあの当時まだ。
鈴木 それぐらいのつもりでいかないと。
春元 仮説がそうそう当たると思うなよw。
榎本 こういうヒット率って社内の人からもよく見えないよね。
春元 データをとりにいって確度を上げるのと、実際に勝負して確度を上げるのだと、後者のほうがスピード早いと思う。
鈴木 そこが若林さんと意見分かれるところなんですよね。
彼はちゃんと順番をふんでデータをだしてやっていきたい。
僕はまわしてみて結果よければ進めばいいじゃんと思っている。
そこでぶつかることがあります。
榎本 やってみた結果がデータなんだよっていうのは思いますよね。
春元 社外で講師やったときに参加者から
「社内でA/Bテストをやろうと思いますができません、なぜなら、ノウハウ、いわゆる定説チックな勝ちパターンを作ることを求められるからです。それができないならやらないでといわれてます。御社はどうしていますか。」
と聞かれたんですね。
僕はこれが衝撃で。そういう考えがなかったから。
「ノウハウはためません。よかったものがすべてです。」
って言ったんですけど。
そういえばこれまで、「常にこうだよね」みたいなものを狙いにいかなかったなというのは思って。
榎本 かつてデヂエにA/Bテストの事例DBあったよね。
鈴木 でもそういうのって流動的だと思うんだよね。
一年前に勝ちパターンだったのがいまも勝ちパターンとは限らないじゃないですか。
榎本 流入元はじめ少し前提がかわったら変わっちゃうしね。
春元 追加の質問で面白かったのが「御社は何をゴールとしてやっているんですか?」と聞かれて、「売上」って答えたんですね。
UIOは事業を伸ばすことにコミットしていて、それ以外はやりません。ノウハウはためません。
と言ったら、皆さん衝撃だったみたいで。
榎本 社内でも前はありましたけどね。
やるならやった結果を共有して皆が見れる状態に、とか。
やる前に皆に説明して了解とれとか。
春元 なくなりましたねそういえば。
榎本 今はないけど。制約ゼロにして担当者のやる気が出て、思考を止めないスピードで取り組める環境があったほうが、むしろ共有するべき価値も生まれてきますよね。
結局ノウハウの共有って人や組織には残せるけど、ドキュメントには残せないと思ってるんですよね。
できるだけ多くの人にノウハウを残すための場の設計が重要であって、ドキュメントじゃないと思うんですよね。
情報として知っててもあまり自分の中で価値に結び付けられないというか。だからいずれ忘れるし、そのドキュメントの存在自体も忘れちゃう。
知るプロセスが大事で。発信者とのやりとりをしながら知ると、驚きや納得感があるじゃないですか。
鈴木 毎回勝てるわけじゃないですからね。
「こうすとうまくいくよ」よりも「こうするとテストができるよ。自分たちでやってね。」のほうがいいと思うんですよね。
春元 LIFTモデルとか概念化してあるといいですよね。
「不安を削ぎ落とすといいですよ。不安を削ぎ落とす方法は、わかりません。」みたいな。
鈴木 あれがあるおかげで体系立てて考えられるわけだからそういうヒントは必要ですよね。
春元 あの図は僕は素晴らしいと思う。
ノウハウというならあれぐらいの概念のノウハウ?といったらいいのかな。がいいと思う。
・・・ということでオチのない話で恐縮なのですが、UIO戦略室ではこのようなことを日々話しております。
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